過去の「感染」により、人間が都市コントロール権を失い、無限に増殖し続ける階層都市。都市防衛システム「セーフガード」は、人間を不正な居住者と見なして排除するようになっていた。僅かに残った人間たちによる小さな集落が点在していたが、食料不足によって絶滅も間近と思われた。シボ(花澤香菜)は食料を探しに出た所をセーフガードに襲われるが、旅の男。霧亥(キリイ)(櫻井孝宏)に助けられる。霧亥はネット端末遺伝子を持つ人間を探し続けていた。原作は弐瓶勉の同名漫画、監督は瀬下寛之。製作はポリゴン・ピクチュアズ。
 ストーリーやキャラクター云々というよりも、ポリゴン・ピクチュアズのセルルック3DCG表現が今どういう地点にあるのか、という点で面白い作品だった。原作、監督、スタジオの組み合わせは『シドニアの騎士』と同じ。SFとしての世界設定やキャラクター造形は正直そんなに新鮮味のあるものではない。原作がかなり前に発表されたものだということもあるが、発表された当時でも、そんなに新しいっていう感じではなかったのではないかな・・・。ただ、王道と言えば王道、ベタと言えばベタなストーリーや設定が、本作の映像だと不思議と新鮮に見える。映像が「出来上がっている」というよりもまだ進化しそう、発展途上な伸びしろ感を感じさせるのも一因かもしれない(完成された商品としてそれはどうなんだという見方もあるが)。
 近年のポリゴン・ピクチュアズは、(技術面の素人から見ても)いわゆるアニメ的な「かわいい」「かっこいい」をセルルックの3DCGでやるにはどのあたりが落としどころなのか、ずっと試行錯誤し続けている気がする。『シドニアの騎士』と比較すると、本作の女性キャラクターは明らかに、セルルックの「アニメ」としてのかわいさをより獲得している。技術の進歩を目の当たりにしている感じ。また、ポリゴン・ピクチュアズ制作作品は、この原作・題材を映像化するにはどうするか、というよりも、自社が持っている技術は、どういった傾向・特質の題材・世界観で最も活かされるのか、という方向でのネタの選び方、作り方をしているように見える(実際は全然関係ないのかもしれないけど・・・)。一つのスタジオの作品を追っていく面白さを、今最も味あわせてくるスタジオではないだろうか。