森見登美彦著
天狗の赤玉先生の跡継ぎである“二代目”がイギリスから帰国し、天狗の世界も狸の世界もざわつき始めた。赤玉先生と二代目とは犬猿の仲、かつ赤玉先生の愛弟子である弁天と二代目の間も険悪だった。赤玉先生のお世話係である狸の矢三郎は天狗同士の騒動をなんとかやりすごそうとするが、狸の世界でも覇権争いが起こっていた。
アニメ化に伴い読んでおくかと手に取ったが、1作目より更に読みやすい。基本的な設定が既にわかっているからというのもあるが、構成、文章の技術が上がっていると同時に、いい意味で入れ込み過ぎない(ように見える。実際はまあ大変だったんでしょうが・・・)スタイルに収まっている。スペクタクル的な見せ場が減っている(今回は前回ほど狸が化けない)と同時に、家族の情愛がよりするっと自然な形で表れているように思う。日和見な狸たちの騒動は愉快でおかしいが、血のしがらみや恨みつらみから逃れられない姿はどこかもの悲しくもある。矢三郎たち一家の「仇」にも、そこまでこじらせることなかったのに・・・という哀れさがあるのだ。それはともかく、二代目と弁天が出そろった所で、そもそもの元凶は赤玉先生じゃないのか?!という気がしてならない(笑)。