ナイトウミノワ著
映画の中に登場する素敵な、愛すべきおじいちゃん俳優12人をピックアップし、俳優としての仕事とその出演作を紹介するコラム集。各章の最後が、次の章へのおじいちゃんへのリレーのような締めになっているところがいい。こういうつなぎ方好きなんだよな。おじいちゃんと言っても、おじいちゃんなら誰でもいいわけではなく、まえがきできちんとおじいちゃん規定をしているのだが、これはなかなか納得できる。性を感じさせ過ぎない(全くないのではなく、ほのめかす程度)というのは重要だよな。おじいちゃんには素敵さと同時に安心感を感じたい。イアン・マッケランで始まりクリストファー・リーで締めるという、ですよね!な構成だが、個人的にはテレンス・スタンプがエントリーされているのに満足。あんまり主演作多くないからネタに乏しいのではないかと思っていたが、そんなことなかった。また、クリストファー・ウォーケンの癖、パーソナルスペースに関する言及にはなるほどなと。軽やかかつどこかとぼけたようなスタイルの語り口だが、取り上げられている作品の肝の部分については率直、かつ配慮のある言及がされていて、読み流させない良さがあった。