相変わらず今年も新刊はあまり読めなかった。SF小説に少し慣れてきたので、もうちょっと読もうと思っている。

1.カーソン・マッカラーズ著、村上春樹訳『結婚式のメンバー』
新潮文庫の「村上・柴田翻訳堂」はいいシリーズだが、その中でも最も心抉られた作品だった。10代の頃に読まなくてよかった(笑)

2.ジェイムズ・エルロイ著、佐々田雅子訳『背信の都』
真珠湾攻撃前後のアメリカが舞台なのだが、むしろ現代のアメリカの姿が立ちあがってくることに震える。

3.『クィア短編小説集 名付けえぬ欲望の物語』
サブタイトルの通り、様々な形の名付けえぬ欲望が垣間見え、裾野が広いアンソロジー。カテゴライズしにくいものを集めた面白さがある。

4.ロバート・エイクマン著、今本渉訳『奥の部屋』
エイクマンの作品は初めて読んだのだが、じわじわ怖い。ホラー苦手な私でも大丈夫なタイプの怖さ。ちょっと黒沢清の映画っぽいかも。

5.アンディ・ウィアー著、小野田和子訳『火星の人』
深刻なのにユーモラス!オプティミズムに裏打ちされた、知恵と勇気の物語。そして科学の知識大切。

6.アン・ウォームズリー著、向井和美訳『プリズン・ブック・クラブ』
刑務所での読書会運営に携わった著者によるルポ。読書は1人でやることだと思っていたが、グループで読むからわかることもある。

7.堀江敏幸著『その姿の消し方』
自分とは時代も場所も違う、全く無関係なはずの人たちとの縁ができていくようでもあった。

8.アンデシュ・ルースルンド&ステファン・トゥンベリ著、ヘレンハルメ美穂 羽根由訳『熊と踊れ(上下)』
血のしがらみ、暴力の記憶と継承。面白いが恐ろしく悲しい。

9.ピエール・ルメートル著、橘明美訳『傷だらけのカミーユ』
本年度一気読み大賞。カミーユ三部作完結編だが、ほんとに傷だらけ!辛い!

10.長嶋有『三の隣は五号室』
40年に渡る人々の生活の記録という側面もあるのだが、読んでいる間はあまりそれを意識しない。しかしはっと、生きている人たち1人1人の生活の積み重ねが40年を作っていると気づく。