中学校卒業を控えた伊純(瀬戸麻沙美)は、陸上部での記録に心残りがあった。浜辺で不思議な石「時のカケラ」を拾った伊純は、「時の谷」と呼ばれる不思議な世界に迷い込む。伊純の他にも時のカケラを持った少女たちが時の谷を訪れていた。彼女らはその世界の住民・ポッピン族の長老から、世界の危機を知らされる。危機を回避するには、時のカケラを持った5人が心をひとつにして踊らないと成らないと言う。監督は宮原直樹。
 東映アニメーション創立60周年記念作品だそうだが、これでいいのか東映?という気が。東映の女児アニメと言えばプリキュア、監督の宮原はプリキュアEDのダンス作画で有名な人なので、作品の方向性と起用としては妥当なのかもしれないが、ドラマ作りがとにかく残念。キャラクターデザインはかわいらしいし動画もいいのに、脚本がどうにも不器用だなという気がした。
 5人の少女はそれぞれ、今の自分を嫌だと思っており、克服したいものがあるがそれと向き合う勇気がない。元の生活に戻りたい気持ちと戻りたくない気持ちの間で揺れている。自分の未来を怖がらなくていい、自分をもうちょっと好きになれるはずというあたりが作品のコンセプトなのだろうが、それぞれの事情が異なるところを「私たち同じだね」と括ってしまうのはちょっと乱暴な気がした。言うほど同じには見えなかったんだよな・・・。また、作品のコンセプトに各キャラクターの言動を添わせすぎようとしていて、セリフが上滑りになっているところが気になった。行動とセリフの流れが取ってつけたように見える。ドラマの運び方がこなれていないということなんだと思う。そのへんが、不器用だなと言う印象の原因か。
 作画的な見所はやはりダンスシーンなのだろうが、これも違和感を感じた。時の谷は人間の世界とは違い、異なる文化が発展している不思議な世界だ。その世界で流れる音楽がいかにもなJポップとアイドル的なダンスというのは、奇妙な感じがする。えっそこだけ人間界と同じなの?と。