派遣の土方仕事で食いつなぐ沢村真司(本郷奏多)は、カリスマネット長者・天生翔(浜野謙太)のセミナーに半信半疑で参加し、ネットビジネスにはまっていく。サラリーマンの加茂守(藤森慎吾)はキャバクラ嬢を落とそうとやっきになっているが、妻に内緒でお金を都合するのには限界があった。高金利で金を貸す「闇金」カウカウファイナンスの社長丑嶋(山田孝之)と債務者たちを描くシリーズ3作目。監督は山口雅俊。原作は眞鍋昌平の同名漫画。同キャスト・スタッフによるTVドラマシリーズもあるが、そちらは私は未見。
Part1,2が予想外に面白かったので今回も楽しみだったが、絵的にちょっとスケールダウンしたかなという印象。1,2の方が映画の絵って感じで、本作はTVドラマのスペシャル版て感じだった(乱闘等、動きが多かったからかもしれない)。もっとも、本作の後にFinalが控えており、エンドロール前にちゃんと次回予告もあるくらいなので、Finalありきの本作、まだ本番じゃないよ!ってことかもしれない。なおドラマ、映画ともにシリーズ作品未見でもちゃんと楽しめるので、そういう点では親切だと思う。エンドロールで「闇金は違法です」と明記しトラブル相談先も提示していることも含め親切。
サギまがいのセミナー商法をしている天生はこれモデルあの人でしょ?と突っ込みたくなるキャラの立ち方だし、沢村がのし上がっていく道筋もかなりカリカチュアされていて、(実際問題としては深刻なんだけど)深刻な怖さをあまり感じない。ラストも曖昧ではあるがどん底までは落としてこない。真剣に怖いのは、チャラいサラリーマン・加茂のパートだ。
加茂は沢村のようにたいそうな野望を持っているわけではない。彼の欲望は、可愛い女の子と遊びたい、いい服を着たい、いい車に乗りたいとしった、比較的目先のこと、即物的なものだ。しかし、その「ちょっと」を我慢することが出来ない。あと5万だけ、10万だけと、少しずつ借金がかさんでいく。セコいしショボいのだが、我慢の出来なさがふてぶてしいレベルで、借金するのが趣味なのか依存症なのか、という域に入っていく(最後の方、カウカウファイナンスの面々が気持ちひいてるもんな・・・)。この「ちょっと」を我慢できない意思の弱さが、非常に身近なものに感じられて嫌な汗をかいた。目の前の大問題から目を背けて楽な方へ走ってしまうというダメさ。沢村が見た地獄よりも、加茂の地獄の方がより生々しく感じられる人は多いのではないかと思う。そして加茂は最初から最後まで変わらないのだ。のしあがって転落する沢村よりも、この人の方がよっぽどモンスター的なのではと思った。演じる藤森がまたセルフイメージを強化するようなハマり方で、どういう自虐だよ!と突っ込みたくなるところも含め面白かった。