犯罪組織フット団のボス・シュレッダー(ブライアン・ティー)を倒し無事刑務所送りにした、レオナルド、ラファエル、ミケランジェロ、ドナテロの4兄弟。しかしシュレッダーは科学者のバクスター・ストックマン(タイラー・ペリー)の協力でまんまと脱獄。ストックマンの発明を利用して、強大な力を手に入れようともくろむ。エイプリル(ミーガン・フォックス)とタートルズはシュレッダーの計画を阻止しようとするが、世界征服をたくらむ異次元の帝王・クランゲもまた動き始めていた。監督はデイヴ・グリーン、製作はマイケル・ベイ。
 亀が突然変異したヒーロー4兄弟がニューヨークで活躍する、『ミュータント・タートルズ』の続編。マイケル・ベイは製作に徹した方がいい作品を作るのではないか。少なくとも、自分で監督した作品よりは全然コンパクトでまとまりがいい。1作目のアクションのキレがよかったので続編も見てみたのだが、冒頭のスタジアムの天井から秘密基地までの移動の流れが気持ちいい。ここは3Dで見たらより楽しかったかも。基本的につるべ落とし的にイベントが発生してどんどん話が進む、かつ込み入った話が全然ないので、見ていてとっても気楽。
 ただ、序盤以降のアクションは割と予想の範疇内というか、1作目ほどのキレのよさは感じなかった。こちらの目が慣れてしまったからというのもあるだろう。また、ストーリー面でもクランゲの存在が唐突に投入されてきたり(シュレッダーが動じなさすぎで笑った)、ドナテロのコンピューターが万能すぎだったりという、突っ込み所がより増えている。元々ユルい、突っ込み上等な作品だとは思うが(何しろ亀が忍者だし)、1作目では彼らの出自やエイプリルとの絆など、ドラマ面でもそれなりに見せ場があった。今回はそこが弱いかなと思う。お約束である兄弟げんかにしても、1作目の焼き直し(というか1作目であれだけやってまだ学習していないのかラファ!)感が否めない。とは言え、4兄弟は相変わらずかわいいいし、レオナルドの「長男は辛いよ」感がさらに増していて、キャラクターものとしては外さないし楽しい。弟が全員自由奔放で空気読まないと、お兄ちゃん辛いよね・・・。
 なお、タートルズが人間になりたがっている、というのも唐突な気がした。人間の若者の文化に憧れている描写は1作目でもあったが、それと人間になりたいのとでは大分違うと思うけど。