コリン・ワトスン著、直良和美訳
 港町フラックスボローで、地元の名士キャロブリートが死亡、ひっそりと葬儀が行われた。7ヶ月後、葬儀の参列者の1人で新聞会社社主のグウィルが感電死する。遺体には不可解な点があり、更に現場近くでキャロブリートの幽霊を見たという話も出てきた。パーブライト警部は部下のラブと共に捜査を開始する。
 1958年に発行されたイギリスの本格ミステリ。イギリスの田舎町(というほどフラックスボローは田舎ではないみたいだけど)での殺人事件てやっぱり、これぞ伝統芸、みたいな味わいがあっていいわー。ユーモア混じりでのんびりとした雰囲気だが、しっかり本格ミステリ。所々現代の視線で読むと厳しい所もある(こんなうそくさい言い訳するか?みたいな)のだが、大ネタのトリックには、あっ冒頭のあの描写はこの伏線か!と唸った。こういう唸り方をしたいから本格ミステリ読むんだよな。パーブライトの、殺人事件には不慣れながら、地に足のついた捜査と落ち着いた人柄が好ましい。若い、マダムに可愛がられる系部下のラブとのやりとりも微笑ましかった。2人とも、のんきそうでいて実はしっかりとしているしちゃんと仕事をしている所に安心感がある。