バリー・ライガ著、満園真木訳
父親である殺人鬼ビリーを追い、連続殺人を阻止しようとするジャズは、トランクルームに閉じ込められ意識を失う。目覚めると、そばには2つの遺体。このままでは自分が容疑者になると考えたジャズは何とか脱出しようとする。一方ジャズのガールフレンド・コニーは、ビリーに捕えられていた。『さよなら、シアルキラー』『殺人者たちの王』に続く、3部作完結編。1作目、2作目以上にジャズは追い詰められており、彼が一線を越えてしまうのではないかとずっとハラハラさせられる。息苦しくスリリングなので、もう大変!そして終盤になるにつれ更に大変になる。ジャズは親のやったことも、いわゆる肉親の絆も否定していく。確かに親子は親子だが、それ以前に個人と個人であり、別の人間だ。それは、ジャズとコニーの関係にも言える。黒人であるコニーの父親は白人に対して不審感があり、ジャズとコニーの交際にもいい顔をしない。しかし、白人/黒人である以前にジャズはジャズで、コニーはコニーだ。あなたはあなただということ、人はそれぞれ個人であり、隷属したりくくられたりされなくていいんだということが、ジャズの葛藤を通して何度も語られているように思った。