伊坂幸太郎著
当たり屋、恐喝などあくどい仕事を生業とする溝口と部下の岡田。ある日岡田は、足を洗いたいと打ち明ける。溝口は「適当な携帯電話の番号に電話し、出た相手と友達になれたら許す」という条件を出す。岡田がかけた番号に出たのは、離婚寸前の男。岡田はその男と、なぜか男の妻子も一緒にドライブする羽目になる。表題作を含む中編5編から成る連作集。いやー上手い!いつもの伊坂といえばいつもの伊坂だが伏線と構成のあざとさには唸る。しかも、収録中1~4章は別々の媒体に掲載されていたもの(つまり初出は連作ではない)で、書き下ろしの5章を加えることで連作として完成し、物語が円環するのだ。本作に限ったことではないが、人のちょっとした善意が(誰かにとっての)世界をちょっと良くするという希望が底辺にあると思う。そういう描き方は愚直に見えるかもしれないが、そこに徹するところが作品の強さ(著者の意志の強さでもある)になっていると思う。後味もいい。題名もいい。人生の残りは全部バケーション、おまけみたいなものだと思えば、ちょっとは生きるのが楽になるかな。

伊坂幸太郎著
当たり屋、恐喝など手段は選ばずあくどい生業をしている溝口と部下の岡田。足を洗いたいと考えるようになった岡田に。溝口はある条件を出す。適当な携帯電話の番号の相手と友達になることだ。岡田が電話した番号に出たのは、離婚寸前の男とその妻子だった。なぜか一家とドライブすることになった岡田だが。連作中編5編から成るが、上手い!まあイラっとするくらい伏線・構成があざとい。しかも、収録中4編は別々の雑誌に掲載され(つまり連作という形では発表されていない)ており5編目は書き下ろし。書き下ろしが加わることで作品は円環し完結する。いやー、計算されているなぁ・・・。いつもの伊坂、と言いたくなるような安定感だが、人のちょっとした善意に対する希望が底辺に流れており、後味がいい。これは愚直とも見えるが、著者の強み(意思の強さでもあると思う)だろう。題名もいい。人生は残り全部バケーション、おまけと思っていれば、ちょっとは生きるのが楽になるかな。