2014年に結成25周年を迎えた電気グルーヴ。その結成から現在までを過去の映像と、元メンバーやスタッフ、ミュージシャンらなど彼らに近い人たちの証言と共に辿るドキュメンタリー。監督は大根仁。
 ナレーションがなぜか英語で日本語字幕が付くという「なんちゃって」感にいきなり脱力させられたが、内容は至って真面目な電気グルーヴの歴史。さほど突っ込んだ内容ではないので、彼らの長年のファンには言わずもがなな内容だろう。もっとも、電気グルーヴを最近知った人、漠然と知っているけどそれほどファンってわけではない人、ピエール瀧って俳優なの?本業何なの?ってくらいの人にはお勧めしたい。おそらく膨大な素材を上手く取捨選択して編集した、いいプロモーション映画になっている。大根監督は意外とそつのない編集をするんだなー。115分飽きなかったし中だるみも感じなかった。
 本人たちへのインタビューは行わず、ライブその他の映像と関係者の話のみで構成したのは正解だったと思う。インタビューしてもまともに答えてくれそうもないしな(笑)。また、周囲の人たちが電気というある種奇特な人たちをどう見ているのか、という方が個人的には興味があった。特に元メンバーである砂原良徳から、当時の電気内の雰囲気やどういうやりとりが聞けたのはファンとしてうれしい(私は砂原さんが在籍していた当時に聞き始めたから)。脱退の時はそういう感じだったのかーとか、色々なインタビューで既に出ている話なんだと思うけど本人から肉声で聞くとやはり説得力がある。また、海外ツアーの規模とか様子とかは日本ではあまり目にすることがなかったと思うので新鮮。
 2014年フジロックフェスティバルのステージが一つのキーになっているのだが、ここまで来たんだなー!と感慨深いものがあった。可能であれば、ぜひ音響のいい方で見てほしい。多分すごく気持ちがいいと思う。このおじさんたちは、かっこいいんですよ!そしてエンドロールでのやりとりのしょうもなさ!本当に中高生男子のふざけあいのようで、この調子で無事に年とって長生きしてほしいなと妙にしみじみしてしまう。