カミラ・レックバリ著、原邦史朗訳
別荘として使われていた海辺の古い家で、女性の全裸死体が発見された。作家のエリカは遺体が発見された所に居合わせ、警察に通報する羽目になるが、死んでいたのは子供時代の親友アレクスだったことにショックを受ける。ある時期から急にエリカと距離をおくようになったアレクスに、いったい何があったのか。幼馴染の警察官パトリックと共にアレクスに何が起きたのか調べ始める。スウェーデンの人気シリーズらしいが、確かに面白い。ミステリ部分と共に、エリカとパトリックのロマンス(少なくとも本作では)にも人気があるのでは。そこそこ年齢を重ねた男女なので、お互いに「腹の肉が・・・」と悩んでいたりするあたりには笑ってしまった。殺人事件の謎そのものというよりも、アレクスという女性に起こったこと、関係者に、そして犯人に起こったことの痛ましさがやりきれない。特に犯人に関しては、最早殺人を犯す意味がなかったのでは、本当にやるべきことはもっと早くに、違った形であったのでは、というところが苦い。犯人(だけではない)がこういった選択をしてしまったのは、慣習や昔ながらの倫理観や世間の目によるところが大きい。世代間の価値観の相違のぶつかりが事件の裏モチーフになっていたように思う。また、本筋ではないがエリカと妹と母親との関係や、エリカの妹夫婦の関係など、家庭内の問題を割と丁寧に描いていると思う。多分、今後のシリーズでも絡んでくるんだろうなぁ。