ヴァージニア・ウルフ他著、利根川真紀編訳
19世紀末から20世紀前半、女性、また男女両方のパートナーを持った女性作家たちによる、女性の物語17編を収録したアンソロジー。ウルフを筆頭にキャサリン・マンスフィールド、ガートルート・スタインなどの有名どころから日本ではあまりなじみのない作家まで、色々読めてお得感あり。1人の作家につき複数作収録されているところが、アンソロジーとしては珍しいかもしれない。同じレーベルから発行されている『ゲイ短編小説集』と対になる感じか。ただ、本作の方が、一個人の心の機微、葛藤に切り込んでいるように思え(どれも書かれた時代が比較的現代に近いからかもしれないが)、個人的には心にしみる作品が多かった。世の中に自分の居場所がない、しっくりこない感じとどう向き合う、ないしはやりすごすのか。いわゆる「人並み」であることが自分にとっての幸せになりえないということが、今よりももっともっときつい時代だったんだなぁとしみじみとした。それにしてもガートルート・スタインの文体は独特すぎるな!これ当時はどういうスタンスで読まれていたんだろう・・・。