父親の会社が倒産して一文なしになった青年チー(エディ・ポン)は、チーは総合格闘技で金を稼ごうとし、ジムの雑用係で元ボクシング王者のファイ(ニック・チョン)にコーチ役を頼み込む。ファイは借金を抱え取り立て屋に追われていた。ファイが居候しているアパートの家主クワン(メイ・ティン)は、息子の死から立ち直れずにいた。監督はダンテ・ラム。
 3人の傷ついた男女が、自分の為、そして誰かの為に人生をもう一度取り戻そうと奮起する。その姿は不器用だが清々しい。特に、自堕落でやる気のなかったファイが、チーの為に、そしてクワンとのその娘の為にもう一度立ち上がろうとする様には胸が熱くなる。愚直にファイを慕うチーもかわいいし、気丈にクワンを支え続ける娘・シウタン(クリスタル・リー)とファイとのやりとりも微笑ましい。ど直球で、愚直に登場人物全員が一生懸命な作品だった。いわゆる「悪役」的なキャラクターは出てこない(借金を取り立てに来るヤクザくらい)。格闘技の対戦相手にしてもいけすかないところはあっても、戦い方が卑怯だとかいうことはなくて、まっとうに試合をする。チーやファイ、特にファイにとっての真の敵は過去の自分、自分自身なのかもしれない。
 好作ではあるのだが、特に前半が回りくどくて、特別長尺の作品ではないのにやたらと長く感じた。本作に限ったことではなく、ダンテ・ラム監督の作品はエピソードが1周余計というか、それいる?みたいな部分が結構あるように思う。私の好みに合わないというだけなんだろうけど、色々と盛りすぎで、そこまでサービスしてくれなくてもいいよ、と思ってしまう。チーとファイのいちゃいちゃ(笑)にしても狙い澄ましたように見せられてもな・・・。
 格闘技戦シーンが予想外に見応えあって、格闘技素人の私でも気分が盛り上がった。下手に派手派手しく見せるのではなく、いかにも実際の試合っぽい技のかけあい、双方がどういう狙いでそういう動きになっているのか、なんとなくわかるのがよかった。