半グレ集団やヤクザから金を巻き上げて着服している、悪徳刑事の桜井(哀川翔)と日影(寺島進)。とうとう消えた押収金が警察署内で問題になり、250万円を明日までに提出しろと署長(大杉漣)から命令される。頭を抱える2人だが、巨額年金横領事件の容疑者・九十九(温水洋一)に遭遇。九十九は横領した金の残額25億円をまだ隠し持っていた。しかし九十九の金を巡って、半グレ集団もヤクザも動き始めていた。監督は鹿島勤。東映Vシネ25周年記念作品。
 うーん、このお話だったらもうちょっとタイトにまとめてほしいというのが正直なところ・・・。銃撃戦とかアクションとかにそんなにバリエーションがあるわけでもないので(「お立ち台」で哀川が登場するのには笑っちゃったけど)、全体的にかったるい。色々盛り過ぎてとっちらかっている。そんなに複雑な話じゃないんだけど(笑)。まあ、その雑さというか大雑把さがVシネらしいということなのかな。
 哀川主演作品だが、その哀川が映画から浮いて見える。哀川はVシネのスターだが、最近はバラエティ番組への出演も多くて、むしろ数々の面白エピソードの方が私の記憶に残ってしまっているせいかもしれない。ドラマ作品であれば、アクセントとして出るのはいいのだが、主演として見続けるのはちょっと辛い・・・。せりふ回しとかももたっとしていて気になっちゃう。相棒役の寺島が、力の7割くらいなんじゃないの?というあんまりキレのない演技だったのも痛かった。
 対してヤクザ役の俳優たちはスクリーン映えする。映画の世界観にしっくりなじんでいた。俳優の素のキャラが見えない方が、作中キャラクターとして見やすいというのはあるよなぁ。物語上のエピソードとしても、ヤクザ側の方が何か見られる(というか刑事側がユルすぎる)ってところもあるのだが。