ブルボン小林著
忘れられない題名、インパクトのある題名とはどんなものなのか、そこにはどんなテクニックがあるのか。文学や漫画、映画にというか音楽、幅広く「ぐっとくる題名」の秘訣を、作家としても活躍する著者(というか作家・長嶋有の方が本業と言った方がいいのか)分析していく。新書版を増補した文庫版で読んだ。軽い文体で肩の力が抜けた、ユーモラスなエッセイなのだが、それは表面上の軽さ。徐々に、著者の言葉に対する感覚の鋭敏さ、言葉を使うことに対する真剣さに圧倒されていった。小説家とはこういうものか。読む姿勢をちょっと正したくなった。