斎藤環著
精神科医であり、「ひきこもり」問題に長く関わってきた著者が、Q&A形式でひきこもりとはどういう状態かという基本的なことから、どういう対応をすればいいか、行政のサポートは受けられるのか等、様々な疑問に答えていく。文庫版で読んだが、理論編、実践編の2冊から成る(時代の変化に合わせて補足と解説、資料の訂正なども)。質問形式なので読みやすいし、わかりやすいので初心者にもお勧め。著者の治療方針が全ての人にとって正解というわけではないが、おおむね妥当だし何より真摯、かつ具体的な返答であるところがいい。具体的というのは、実際にできることを勧めているということなので、時にあけすけだったりもするが、それが著者の慇懃無礼の慇懃がやや弱い感じの文体と相まって味わいがある(笑)