ジム・ケリー著、玉木亨訳
イギリス東部の町イーリーで、氷結した川から車が引き上げられた。トランクには他殺死体が。一方、イーリーの大聖堂の屋根の上で白骨死体が発見される。ローカル誌の記者トライデンは調査を始める。全く関係ないように見えた2つの事件の間に、徐々につながりが見えてくる。途中で挿入される関係者の「過去」が、後追いで、そういうことだったのか!と効いてくる構成が雰囲気を盛り上げる。また、トライデンの子供の頃のトラウマ、そのトラウマが招いた(と本人が思いこんでいる)妻をめぐる悲劇のエピソードが並走している。事件の解決とトラウマの解消がリンクしていき、これがミステリであると同時に、トライデンのごく私的な物語だったということがわかるのだ。