四方田犬彦著
2000年に刊行された『日本映画史100年』の増補改訂版。2000年以降の日本映画の動向、研究成果についても加筆されている。私は映画はよく見ているものの、日本映画の時代的な流れ、映画史についてはあまり知らなかった(特に撮影所時代については無知)なので、流れを押さえる為に読んでみた。新書なので手に取りやすいしわかりやすくまとまっていて、元となった『日本映画史100年』が大学などのテキストとしても選ばれ版を重ねているというのには納得。時代ごとのムーブメントとあわせ、主要なスタッフ(主に監督)の名前も把握できるので便利だ。日本映画には歴史的な視座が乏しいという指摘が度々されるのだが、これは映画に限ったことじゃないよなー。