映画の研究をしている女子大生のソニ(チョン・ユミ)は留学の為の推薦状をもらおうと、チェ教授と面談した。大学に行くと、元彼のムンス、先輩で映画監督のジェハクと再会する。それぞれソニと飲んだり話したりした3人は、ソニへの好意を再確認してしまう。監督はホン・サンス。
 ホン・サンスの映画はエリック・ロメールのようだとよく言われるが、本作は特にロメールっぽい。4人の男女がつかずはなれずで、ふらふらとあっちへ行ったりこっちへ行ったり。恋愛のしょーもなさやぐだぐだ加減、でも皆どこかキュートで憎めない感じ、そしてそれをさらっとユーモア交えて(時に辛辣だが)描くところ、そして何よりある種の映画に対する図太さがそう思わせるのだろうか。
 チェ教授もムンスもジェハクもソニのことを好きになってしまい、そもそもソニがどの人に対してもまんざらでなさそうな態度を取るので、どんどんその気になってしまう。3人は元々子弟だったり先輩後輩だったりするので、相手がソニのことを好きとは知らずに「好きな人が出来たんだ・・・」みたいな話をするところなど、コントかよ!と突っ込みたくなる。ひと悶着あってもおかしくないところ、なりそうでならない、ふわっと逃げてしまう軽やかさがいよいよエロメールっぽくなってきたなぁと思った。男3人が公園でソニを探すものの、なんだか普通の観光客に見えてくるラストショットなど気持ちがいい。
 『ヘウォンの恋愛日記』に登場する「教授」と比べると、本作の男性3人はより愛らしいというか、純情だし、なんだかんだで優しい。ただ、ソニの良さを語る彼らの言葉は大体同じようなものだ。お互いに影響されているというよりも、他人を見る目なんてそんなものじゃないかなと思った。「自分があの人のことを一番わかっている」「あの人の良さをわかるのは自分だけ」というのは幻想ではないだろうか(笑)