三大映画祭週間2014にて鑑賞。刑務所から出所したヴィク(ピエレット・ロビテーユ)は刑務所仲間だったフロ(ロマーヌ・ボーランジェ)と、人生を立て直す為に田舎の山小屋で暮らし始める。田舎の暮らしはフロには物足りないものだが、ヴィクは穏やかな日々に満足していた。しかし村人の白い目やフロの過去がつきまとい、やがて衝撃的な結末を迎える。監督はドゥニ・コテ。
 シンプルかつミニマムな構成で抑制がきいているだけに、ラストは確かに衝撃的だった。フロが過去になにをしたのかはわからないが、当たった相手が悪かった、それこそ「熊に会った」みたいなもので、運が悪いとしか言いようがない。村人たちのうっすらとした悪意も怖いのだが、それ以上に、天災のように降りかかる悪意の怖さにぞっとする。不条理劇のようだった。
 更に、ヴィクが「放棄」してしまったのが、自ら選んでのことだったのかもというところがやりきれない。彼女らが穏やかにいられる道はそれしかなかったのかと。一度はみ出してしまうと主流に戻るのは難しいと突きつけられるようで、シンプルながら、なかなか見るものの気持ちをえぐってくる作品だった。
 森の雰囲気や山小屋での暮らしは穏やかで心地よさそうに見えるだけに、そこに差し込む不安の影が色濃く見える。音楽の使い方もよかった。また、主演2人の存在感がいい。こういう人がそこにいる、という手ごたえがある。2人でカートに乗っているシーンなど、生き生きとしていて映画だ!って感じがした。