勢力争いをしている上岡組と十和田組。上岡組は不動産屋の野田と結託してシマを広げようと画作、十和田組を罠にかけ、3000万を支払う羽目に陥る。それを知った“ジャックの刺青”こと花村(小林旭)は、相棒の倉原(郷英治)と、十和田組を盛り返して荒稼ぎしようと仲裁に乗り出す。しかし上岡組は先手を打って、十和田組長を殺してしまう。監督は武田一成。1970年の作品。
 花村と倉原が「風邪ひくなよ」「腹壊すなよ」と挨拶代りに言い合う様がコミカルだし、そもそもヤクザの話なのに「ネオン警察」って何故?という、全体に軽快でノリがいい出だし。しかし、やっていることは意外と陰惨という、不思議な作風だった。花村と倉原の「仕事」のスタンスが悪漢小説ぽく、結構ひどいこともやっているのに妙に憎めない。仁義があるのかないのか微妙な感じで、この2人はヤクザでも任侠でもないんだなという雰囲気がよくわかる。
 花村はカードの名手という設定で、カードを投げて武器にするという漫画かアニメのようなシーンがある。当時は結構話題になったシーンだそうだが、これは確かに真似したくなるだろう(笑)。小林自ら、吹き替えなしでカードをさばいているであろうシーンもあるのだが、結構スマートな手振り。小林旭にはなんとなく不器用そうなイメージを持っていたので、本作のような軽やかなキャラクターは意外だった。
 安岡力也が殺し屋役で出演しているのだが、この頃から既に異色な雰囲気を醸し出している。決して演技が達者というわけではないが、粘着質の殺し屋役が似合っていた。