仁木稔著
“妖精”、やがて”亜人”と呼ばれるようになった人口生命体が、人類により使役されている未来。最初は労働力として使われていた亜人だが、やがて亜人同士を戦わせエンターテイメントとしての戦争が提供されるようになる。人間より一段階下位の存在である亜人を存在させることにより、人類は絶対平和を確立していた。暴力を亜人に担わせることで人類は暴力から解放され、他人への思いやりを維持することができる、というのだが、それは暴力の当事者でないということになるのだろうか。エンターテイメントとしての戦争、そしてそれに伴う物語を享受する行為は、読者である私たちの行為そのものでもある。人類の「繁栄」が行くところまで行きつき、やがて破たんの兆しが見える最終章「“STORY” Never Ends!」は、景気のいい題名とはうらはらに、物語を求め続け消費をやめられない“読者”、そして創作者の業とリンクしていくかのようだ。