鈴木敏夫著
発足30年を迎えたアニメスタジオ、スタジオジブリ。プロデューサーとしてジブリと並走し続けた著者が語る、プロデューサーとしての自分の歩み、そして宮崎駿、高畑勲の仕事。2008年刊行の『仕事道楽 スタジオジブリの現場』に新章(主に高畑監督の『かぐや姫の物語』に関する事項)を加筆したものとなる。古参のアニメファンの中には、宮崎駿の作品をつまらなくしたと批判する人もいるが、著者がいなければ宮崎がコンスタントに長編アニメーションを作ることも、ジブリが会社として存続することも難しかったんじゃないか。バリバリこなす強面タイプの仕事人間なのかと思っていたら、本著を読むともっとニュートラルというか、客観性が強くてちょっと引いたところから見ているんだなと意外だった。著者自身の話も面白いのだが、著者から見た宮崎駿、高畑勲の姿が大変面白かった。2人とも巨大な才能ではあるが、この人たちとは仕事したくないわ(笑)!こういう人たちが上にいると、下の人が育つのはなかなか大変だろうから、そこがジブリの課題なんだろうなぁ・・・。また、宮崎にとっての高畑の存在の大きさが、なんかもうすごい片思いみたいで若干ひいたよ・・・。