山間で牛の放牧をしている、裕福そうな若い夫婦と、2人の幼い子供。平穏な彼らの暮らしに、ある日「それ」が現れる。監督・脚本はカルロス・レイガダス。
 予告編の段階ですごく期待しちゃったんだけど、期待しすぎだったか・・・。映像美(はそもそもそんなに目指していない気もするけど)も不穏さも中途半端で、こじんまりとまとまっている。
 「それ」に象徴されるようなわけのわからないものがふっと出現するのかと思っていたら、「それ」の部分のみが異色で、あとはあくまで人の世の話だ。悪も不可思議さも、あくまで人間の中にあるものにとどまっているように思った。平和に見える日常の中に、突如暴力が発生するというシーンが度々挿入されるが、どちらにしろ人間の想定内のものだ。じゃあ森や海に囲まれた舞台設定にする必要ってなかったんじゃないかな~。
 取り囲む世界に対して出てくる問題が矮小すぎるとでもいうか、マジックリアリズムを期待していたらマジックなかったわ!みたいな感じだった。私はもっとわけのわからないものが見たい。こういう方向性だったら、もっとうまく、斬新にやる人がいるんじゃないかなと思ってしまった。