北の小国の王女、エルサ(イディナ・メンゼル)は物を凍らせる力を持って生まれた。彼女の力の暴走を心配した国王と王妃は、エルサに城の外へ出ること、他人と接することを禁じた。妹のアナ(クリステン・ベル)は姉と遊びたがるが、アナを傷つけたくないエルサは関わりを立つ。やがて国王と王妃は亡くなり、エルサが王位を継ぐことに。しかし王位継承式典動揺したエルサは、力を制御できずに山へ逃げ、王国は冬の世界になってしまう。アナは姉を連れ帰り王国を救う為に、山男のクリストフの協力を得て、氷の城へ向かう。監督はクリス・バック&ジェニファー・リー。
 2D字幕版で鑑賞。技術的には非常にクオリティ高く、雪の表現、氷の表現(冒頭、湖から氷を切り出すシーンがあるのだが、氷の透明感や質感の最限度が凄い)はここまでできるのか!と唸った。また、肌や衣服の質感のやわらかさやふわっとした感じも素晴らしい。アニメーション技術のデモンストレーションとしては、そりゃあ自信あるわと納得。
 いわゆるディズニープリンセス路線としては、ほぼ初めてだと思うが、男女の愛がメインプロットに絡んでこないという点が新鮮だった。しかし、ディズニー映画という枠はやっぱりあるんだなという物足りなさを強く感じた。エルサが一人で王国を離れることを決意し、「Let it go」を歌い上げるシーンは感動的だ。しかし、彼女はやはりディズニー映画のプリンセスであり、愛されることが決まっている存在。愛されなくとも一人で独自の道を行く、という選択肢はないみたいだ。エルサの特殊能力をモンスター的なものとせず、「そういう人だから」というところに落ち着かせたのは教育的には正しいのだが、じゃあモンスターではいけないのか?っていうことがひっかかる。エルサはアナの愛によってモンスターになることを免れたが、愛されない異端者はモンスターなのか?愛されなくとも一人正しく生きる道はないのか?と。ただ、子供が見ることを前提に作られている以上、愛されないこともありますよとは言い難いだろうなとは思うが。
 ともあれ、エルサが望んだことは妹と共に生きたいということだったということなんだろうけど、妙に小さい所に納まっちゃって勿体無いなという感じはぬぐえない。あと、アナのキャラクターがどうも自分と相性が合わず、若干イライラした。ああいう妹がいたらうっとおしいだろうなー、何で一人にしておいてくれないのよってげんなりしそうで。


雪の女王
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