ベン・アーロノヴィッチ著、金子司訳
ソーホーでジャズ・ミュージシャンが演奏後に急死する事件が相次いだ。遺体から魔術の痕跡と同時に、ジャズの名曲「ボディ・アンド・ソウル」の音を聞き取った警官ピーターは、捜査を開始する。事件の背後には黒魔術師の姿が。そしてピーターは被害者の恋人と深い仲になっていく。魔法に関わる事件を扱う警察の極秘組織、特殊犯罪課(といっても2人だけだけど)を舞台にしたシリーズ2作目。ピーターが結構ハンサムであるという設定がようやく活かされてきた(前作では読んでても結構忘れてたもんなー(笑))気がするが、モテるのも考えものだな・・・。各章がジャズの曲名になっているので、ジャズに詳しい人ならより楽しめるかも。ピーターの煮え切らなさと優しさは、若いな!って感じで上司のナイティンゲールがいい顔しないのもわからなくもないが、良くも悪くもピーターの至らなさと柔軟性が魅力なシリーズでもあると思う。語りが饒舌すぎて読みにくい時もあるんだけど、それも若者の勇み足だと思えばまあ許せるかな(笑)。


顔のない魔術師 (ハヤカワ文庫FT)
ジャズ・クラブ~ボディ・アンド・ソウル