大理奈穂子・栗田隆子・大野左紀子・水月昭道監修
努力しても自分の力とは関係ないところで働き方の選択肢が狭まれてしまう、これ以上上は無理、というラインが出来てしまうとしたら。有名大学、大学院を出た特に文系「高学歴」女性の就業状況をふまえ、女性の就業について考える。著者らの体験、調査対象が大学の教職、研究職につく、ないしはそこを志望する女性にほぼ限られているという範囲の狭さはあるものの、大学というちょっと特殊な場で女性職員が置かれている状況は、他の団体、ひいては日本の社会全体が抱える問題だろう。男性にとっても大学での研究職ポストは希少なのは著者らも百も承知だろう。しかし、それ以上に女性にとっては険しい道(というか半ばないものとされている)という面がある。巷ではリケジョが急にもてはやされているが、あれは本当にごく一部の例外みたい・・・。私は高学歴ではないが、周囲で似たような事例がいくつもあるので、読んでいて鬱々としてきた。大学院を出たもののワーキングプア状態で、母親に「本当ならもっといい生活ができたのに・・・」と嘆かれ逆上、結婚が免罪符になるというあたりもう泣けてくる。高学歴な人は大体努力家、だから昇進できないのを自分に全部原因があると考え自責が強くなるというのは、いたたまれない。、大学の研究職、教職の形態って外部からはわかりにくいところがあるので、大学での雇用に関する資料としても面白いかも。企業勤務の人から見ると、やはりかなり特殊なのではないだろうか。


高学歴女子の貧困 女子は学歴で「幸せ」になれるか? (光文社新書)
高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)