ネクストと呼ばれる特殊能力者たちが、企業をスポンサーに「ヒーロー」として活躍する都市シュテルンビルド。ワイルドタイガーこと鏑木・T・虎徹(平田広明)とバーナビー・ブルックス・Jr(森田成一)は2部リーグに降格したもののヒーローとして活動を続けていた。そんな折、2人が所属するアポロンメディアに新オーナー・シュナイダーが就任。彼は自分がスカウトしてきたゴールデンライアンことライアン・ゴールドスミス(中村悠一)とバーナビーを組ませて一部リーグに復帰させる。一方、シュテルンビルドではビルのガラスがいちどきに割れる、車と衝突したと思われた女性が姿を消す等の奇妙な事件が起きていた。2011年に放送されたTVアニメ『TIGER & BUNNY』の劇場版第2作。前作は総集編プラス新作部分だったが、本作は完全新作でTVシリーズの続編となる。監督は米たにヨシモト。
冒頭にキャラクター紹介のオマケ短編が放映されたり、TVシリーズのダイジェスト(2クールを5分でまとめる荒業・・・)があったりと、一見さんにも対応している親切な上映形態。もっとも、メインターゲットは当然、シリーズ追ってきたファンだろう。キャラクターそれぞれの、今まであまり見られなかった部分や、ネクスト能力が減退し、ヒーローとしての立場も危うくなった虎徹の人生の岐路など、ファンには感慨深いものがあると思う。ヒーローの私服デザインのアレンジや、フォーマル姿など、ファンサービスもいっぱい。
ただ、ファンアイテム的でありつつ、映画としてのバランスはいい。ファンだけが楽しいという作りではなく、間口は結構広くなっていると思う。劇場晩1作目(Bigining)に比べるとカメラの動きがかなりアクション映画っぽく、華やかなものになっていた。コンテが劇場サイズっぽいというか、こなれている感じ。
また、一見痛快な「ヒーロー」ものっぽいが、実際はあんまり痛快な話がなかったという、本シリーズらしい作品になっていると思う。今回はむしろ中年、もう若くないなとふと思うような層の方が共感できる話なのではないかと思う。自分の可能性が着々と目減りしていく感じは身につまされるし、分相応とか身の丈とか考えなくちゃ、人並みでいなくちゃという雑念はつきない。だからこそ、それでもやるんだよ!と迷いを振り切る虎徹やネイサンの姿にエールを送りたくなるのだ。
 なお、新キャラクターのライアンの登場には、何このチャラ男!すわ三角関係!?とざわざわした方も多いだろうが、意外とちゃんとヒーローやっている上に引っ掻き回すどころかとんだキューピッドだというね・・・。


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