『マイティー・ソー』の1年後を舞台とした続編。アスガルドに戻ったソー(クリス・ヘムズワース)は各地の混乱の鎮圧に奔走していた。ロンドンに戻った天文学者のジェーン(ナタリー・ポートマン)は、重力異常の調査をしていたが、調査現場で封じられていたダークエルフの力を宿してしまう。地球滅亡の原因になりかねない力をなんとかしようと、ソーはジェーンを連れてアスガルドに戻るが、力を取り戻そうとするダークエルフたちが襲撃してきた。アスガルドと地球を守る為、ソーは反逆者として幽閉されていたロキ(トム・ヒドルストン)に強力を求める。監督はアラン・テイラー。
 『マイティ・ソー』は最近のアメコミヒーロー映画の中では珍しく主人公に屈託がなく、作風もよく言えばおおらか、悪く言えば大味で、見た後どんな話か思い出せないが好感は持った。今回も相変わらず世界設定が大雑把なのだが、細かいことには拘らないのがこのシリーズのいいところなのだろう。前作に比べると、ソーを演じるヘムズワースにスターのオーラが出てきたし、ロキがまさかの愛されキャラ(ヒドルストンの各所でサービス精神発揮ぶりによるところも大きいんだろうけど)に成長したし、それぞれのキャラクターが固まってきて、気楽に楽しむことができた。アベンジャーズ関連作品は基本的に、キャラクター映画なんだよなぁと再認識もした。そこが楽しいんだけど、キャラクターが固まってくるほどに、一見さんお断りな雰囲気になってくるし、実際何かの続編である、この後も続くということ前提に作られているので、新規顧客獲得という面では悩ましい所だと思う。見に行くにしても、前作見ていない友達とか誘いにくいよね・・・。
 本筋とはあまり関係ないが、ジェーンが冒頭でデート(未遂)していた男性(クリス・オダウド)が何かいい感じの人で、にやにやしてしまった。あんまりにもあんまりなデート中断の後、これまたあんまりなシチュエーションでちゃんと電話で話してくれるなんて・・・何ていい人なんだ!大らかで素敵!私だったらソーよりもこっちと付き合う(笑)。2人が電話している背後で「えっ?えっ?」みたいな顔をするソーも可愛かった。ジェーンの「残念美女」感にも磨きがかかってきて、出てくる人たち全員、何か憎めない。そういえばこのシリーズ、基本的にそんなに嫌な人出てこないよなー。あえて嫌な人といえば、これっていわゆる毒親?老害?なオーディーンだな。そもそもお前がちゃんとしていれば!


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