シャーロット・マクラウド著、高田恵子訳
大学町であるバラクラヴァでは、クリスマスになると住宅を華やかなイルミネーションで飾り観光客を呼ぶ習慣があった。大学教授のシャンディはこの習慣に眉をひそめていたが、今年はうるさ方への嫌がらせとして、派手派手しいイルミネーションを飾り自分は一人旅行に出るが、船が難破し引き返す羽目に。自宅に戻ったシャンディが発見したのは、近所に住む女性の死体だった。クリスマスの時期に読めばよかったな(笑)。よく出来たユーモアミステリ。シャンディをはじめ、キャラクターの個性が豊かで、決してご近所さんになりたい人達ばかりではないのに生き生きとしていてその言動が楽しい。何より、心配性でちょっと気難しいシャンディが、最初は学長から押し付けられたとは言え事件の真相究明に一生懸命になっていく、同時に自分の人生を楽しむことにも積極的になっていく様子が微笑ましい。雰囲気ミステリではなくしっかりミステリしているところも良かった。


にぎやかな眠り (創元推理文庫)
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