今日で2013年も終わるので、例年通り2013年ベスト映画を選びました。今年は鑑賞ペースをちょっと抑え目にしてみたつもり(実際、映画祭や特集上映にはあまり行かなかった)ですが、見たいものはそこそこ見られたと思います。

≪洋画≫
1.フライト
今まで相性が悪かったロバート・ゼメキス作品だが今回初めてびっくりするくらい面白かった。出てくる人たちは不真面目なようでいてすごく真面目。(自覚の度合いはともあれ)信仰を持っているということについて考えさせられる。

2.ザ・マスター
「フライト」と同じく、信仰について考えさせられる。その対象を普通の人間に仮託してしまうことの危うさも。映画的としか言いようのないショットが随所にあって、魅了された。

3.わたしはロランス
今年一番の「わたしはこう生きたい、こういうふうにしか生きられない」という叫びを感じた作品。

4.シャドー・ダンサー
これもまた「わたしはこう生きたい」という物語とも言えるが、選択肢の極端な少なさが胸をえぐる。ストイックな作りがよかった。

5.デッドマン・ダウン
娯楽映画ってこういうのでいいんだよ!シナリオの無駄のなさ、情感の控えめさが素晴らしい。

6.孤独な天使たち
ベルトルッチの本質は意外とこういう作品にあるのかもと思った。そしてデビッド・ボウイ楽曲の使い方が最高だった。

7.愛さえあれば
大人のロマンス映画、というと陳腐な言い方になるが、まさに「大人」だった。意外性のないネタも演出の仕方でこうも芳醇になる。

8.東ベルリンから来た女
私の中では「シャドー・ダンサー」と同じ枠の作品。最後、彼女は勝利したのだと思う。

9.リンカーン
オーソドックスな「大作映画」感があった。そしてトミー・リー・ジョーンズのキュートさよ。

10.クロワッサンで朝食を
見ていて、とても丁度いい感じがする作品だった。やりすぎないって重要だと思う。


≪邦画≫
1.さよなら渓谷
人は許されることがあるのか、許せるのかと。息もつけない。

2.フラッシュバック・メモリーズ3D
途中から涙止まらなかったですね・・・。記憶のとどめ方、再生の仕方にこんなやりかたがあるのかと。

3.そして父になる
監督、大当たりを狙いに来たなという感じが(笑)。細かい部分の作り込みに感心した。見た後で色々話し合いたくなる作品だった。

4.ぼっちゃん
見ていていたたまれないが、いたたまれなさすぎて忘れられない。

5.横道世之介
結構長いのに長さを感じなかった!こういう形で人の記憶に残ることがある、ということにぐっとくる。

6.かぐや姫の物語
私の中では「わたしはロランス」と同じ枠に入る作品。しかし本作の方が苦さが深い。高畑監督、恐るべし。

7.はじまりのみち
俳優が皆よく、品のいい作品だった。その道を踏み出す瞬間の美しさよ。

8.舟を編む
これもまた、品のいい映画だった。松田龍平の新たな魅力が全開だった。

9.リアル 完全なる首長竜の日
黒沢清は何を撮っても黒沢清なのだった。

10.チチを撮りに
明らかに低予算の地味な作品だが、オーソドックスさを恐れない良さ。

番外.劇場版銀魂 完結編 万屋よ永遠なれ
ジャンプありがとう・・・サンライズありがとう・・・ともあれ作品の趣旨をよくふまえたいい完結編だったと思う。


*若干訂正しました(12.31 22:35)