特集上映「日活レアもの祭り」にて。東京の下町、江戸っ子寿司の大将・松造(森川信)と、向かいのレストラン・フランセのマダム・咲江(清川虹子)は犬猿の仲。しかし松造の娘・光子(高田美和)と咲江の息子・和男(浜田光夫)は愛し合っていた。ある日、トラブルメーカーの竜太(宍戸錠)が大手企業ヒカリ産業の二代目だという青年を光子に引き合わせたことで、松造は玉の輿のチャンスとはしゃぐ。監督は江崎実生。1970年の作品。
 『男はつらいよ』ブームを受けての題名だろう。本作で宍戸が演じる竜太は、寅さんのパロディともいえるキャラクター。他人の問題に首を突っ込んでは余計にこじらせる、しかし本人悪気がなくて憎めないというものだ。宍戸錠って、こういう役もやっていたんだと何か新鮮だった。
人情コメディ+ロミオとジュリエットというベタもベタな話だが、ベタはベタとして楽しい。ただ、今現在見て笑えるかというと微妙。一つには、てんぷくトリオをはじめ、当時人気があったコメディアンが何組か出演しており、当時のオフィシャルイメージとしてのその人に近いであろうキャラクターを演じているということ。その人の芸風がどういうもので、どういう受容のされ方をしてきたという知識がないと、何が面白いのかわからない(いわゆる「お約束」的ギャグもあるので)。もうひとつは、冒頭の「ボインコンテスト」に始まり、今だったらこれセクハラ(セクシーではなく)だよなーというギャグがかなり多いということ。当時の感覚ってこんなもんだったのかと思うと、ちょっとげんなりする。極端に女性を見下しているとかいうわけではないが、あんまりいい気分はしない。


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