メンバー不足について悩む草野球チームだが、話し合いはいつも下ネタにいってしまう。スーパー新店舗の開店イベントに集められたコンパニオンたちだが先輩後輩間で不穏な空気が漂う。仕事の後に一杯飲もうと居酒屋にやってきた4人の男だが、1人が発泡酒なんて飲めるか!と絡みだす。レジのバイトに注意をした女性店員だが理不尽にゴネられる。そしてカラオケボックスには11人の全身タイツ愛好者が集い、一方では主婦たちが火花を散らす。橋口亮輔監督によるオムニバス映画。若手俳優育成の為のワークショップから生まれた映画だそうだ。各エピソードは俳優のエチュードを元に作られており、それがエピソード「ゼンタイ」で繋がる。
 日常の人間関係の中のちょっとした食い違い、もやっとする感じをピックアップしたような作品。もやっとする部分を追求することを許さない日本社会の「空気読め」圧力が生み出すシチュエーションの数々には、「あるある!」と言いたくなる。「草野球」での悪気のない下ネタを強要されるうんざり感とか、「レジ店員」の常に割を食ってしまう感じなど、身近なものがある。「主婦」の、ごく小さな世界内のトラブルなのにこの世の終わりみたいな気分になっちゃうところとか、こういうことってあるんだろうなぁと。周囲が悪くて自分は正しい、のではなく、周囲も困ったもんだが自分も褒められたもんでもない、というところがまた身近であり、よけいにイタい気分になるところでもある。
 元々、俳優養成のワークショップから生まれた映画なので、出演している俳優は皆若手。エピソードのシチュエーションがほぼ1シチュエーションだったり、美術にお金がかからなそうだったりという、あーワークショップぽいなぁという雰囲気はあるし、演技もこなれていない(いかにも演劇風になってしまう)ところもあるのだが、限られたシチュエーションの中ならではの面白さはある。なにより、しょうもない会話をちゃんとしょうもなく作っているところがえらい。最後、あっこの人だったんだ!と驚きで作品を通る線が繋がった感じがした。ただ、「あるある」止まりで、なぜゼンタイになるのかという部分に届いていないように思う。セリフでそれらしい言及があるものの、ちょっと説明的すぎたかなと思う。


ぐるりのこと。 [DVD]
【即納】でたー!進撃の巨人 超大型巨人風 全身タイツ!【Lサイズ】【175-185cm】コスプレWATER LILY サイズSML有 【調査兵団バッジ付】【Lサイズ】c16