パトリック・マシアス著、町山智浩編・訳
1972年にアメリカで生まれ、日本の映画やアニメ、漫画の魅力に取りつかれた著者が、アメリカで日本のアニメやマンガがどのように受容されアメリカ独自の展開を見せていったかテンション高め、脱線多めの文章で解説する。ただ、著者の個人的な体験と見解に基づいたところが大きいので(もちろん膨大な知識あってのことなのだが)、客観性は薄いかもしれないけど(笑)。聞いたことのある話も色々あったのだが、日本の漫画・アニメの影響を受けてアメリカで誕生した「アメリマンガ」の存在は初めて知った。文化って色々な形で変容し伝搬していくものだなとしみじみ。サブタイトルに「愛と誤解」とあるが、まさにその通りなところが多々ある。愛はともかく誤解があふれてしまったのは、アニメの場合は文化の違いや翻訳のまずさに加え、アメリカで勝手に編集されてしまった(2つの番組を1本に編集しなおしてしまったものまで!)により本来の文脈がなくなってしまったことによるところも大きいそうだ。き、君たち思い切ってるな!という逸話がゴロゴロ出てきて大変愉快、かつ思えば遠くに来たものだと。更に、本作は2006年に初版が発行されたもの(私は文庫で読んだ)なので、現在では状況が更に変わっている部分もあると思う。


オタク・イン・USA:愛と誤解のAnime輸入史 (ちくま文庫)
本当はこんな歌