警察官のマックス・ルインスキー(ジェームズ・マカヴォイ)はかつて大物犯罪者ジェイコブ・スターンウッド(マーク・ストロング)を取り逃がし、脚を撃たれたこ。以来、仕事への情熱は薄れ、警察組織からも浮き気味だったマックスだが、ジェイコブが久しぶりにロンドンに戻ってくるという情報を入手する。ジェイコブの息子が何らかのトラブルに巻き込まれ、死亡したのだ。ジェイコブ逮捕に燃えるマックスだが、事件の背後には巨大な陰謀があった。巻き込まれたマックスとジェイコブは事態を切り抜ける為協力し合うことに。監督はエラン・クリービー。製作総指揮はリドリーー・スコット。
 裏社会の小競り合いかと思いきや実は・・・という大陰謀サスペンス、のはずなのだが、何か妙な映画だった・・・。個々の事件の関連付けが、言われればああそうねと思うけど、よく考えるとその程度の情報でよく結びつけたな!と思っちゃう(私が途中で寝ちゃって見落としている可能性もありますが)。何より、陰謀の目的からすると、やっていることの効率がすごく悪そうで、少々的を外しているような気がした。そういう話なのねと飲み込みはするが、微妙に納得できない(笑)。マックスとジェイコブがあまりにも2人で全部処理してしまうので、陰謀のスケールがあんまり大きく見えなくなってしまった。
 ビジュアルは青みの強いクールな雰囲気。びっくりするほど全編青い。ただ、これがちゃんとかっこよさとして機能しているかというとそうでもない。全般的に、かっこいいことをやろうとしている映画だというのはわかるが、その試みが全部「やろうとしている」止まりで、「かっこいい」まで届いていない気がした。唯一全般的にかっこいい、というか無双状態で笑えてしまうのはマーク・ストロングの活躍ぶり。
 脇役のキャスティングが、味のある顔の人を多用していてなかなかよかった。こういう顔の人を出すなら、もっと渋めで落ち着いた作風にしてほしかったなぁ。ロンドンが舞台なのだが、舞台と映像の味わいがあんまり噛み合っていないように思った。