出張ストリッパーのベス(レベッカ・ホール)は、ストリップ稼業に嫌気がさして憧れのラスベガスへ出てくる。ひょんなことから伝説的なスポーツ賭博師ディンク(ブルース・ウィリス)の下で働くことに。記憶力に優れて数字に強いベスは、ギャンブルの才能を発揮し始める。同時に、ディンクにも惹かれていくが、ディンクには気難しい妻チューリップ(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)がいた。監督はスティーブン・フリアーズ。実在の賭博師ベス・レイマーの自伝が原作。
 スティーブン・フリアーズの映画ってあっさりとしていてスパっと終わるという印象があって、そこが割と好きなのだが、本作もあっさりとしている。話はとんとんと進むし、ベスとディンクの不倫もそんなに泥沼っぽくないし、別れ方は唐突だがそんなに尾を引かない。これは、ベスが多分にファザコンぽくて、男女の仲がこじれているというより、父親と反抗期の娘みたいな感じに見えるからかもしれないけど。ハラハラする展開はあるものの、そんなに引っ張らない。人によっては物足りなく感じるかもしれない。私は、スターが出演しているのに妙に地味で、却って肩の力を抜いて見られるところに好感を持った。
 ベスは多分20代半ば~後半くらいだと思うのだが、髪の毛をいじる癖に見られるように、言動はかなり子供っぽい。優しくて気のいい、良い子なのだが、ギャンブルに対して無邪気すぎてリスクをよくわかっていない風だったりする。ディンクとの関係にしても、楽しければいい、相手の良い所(というか自分にとって魅力的で都合がいいところ)しか見ない。そんな彼女が他人の弱さや自分の「責任」に気付き、成長していく、他人を支えられる人間になっていく。ある男に電話で話す内容は、自分に言い聞かせているようでもある。自分の実感がこもった言葉だから、相手の心にも届くのだ。
 自分の「責任」に気付き、自分が誰かを支えるのだと自覚するようになるというところは、ディンクも同じだ。ディンクはさすがにギャンブルのリスクや苦さは熟知しているが、相手の、自分に都合のいい面ばかりを見る、相手の弱さを考慮しないという部分はちょっとベスと似ている。そのあたりも、男女というよりは父娘に見えてしまった一因かもしれない。
 アメリカでのスポーツ賭博のシステムを知らないと、最初ちょっと飲み込みにくいかもしれないが、見ているうちに慣れた。ちなみにウィリス演じるディンクはいつもハーフパンツに白いソックスというスタイル。これ、ラスベガスではアリなんだろうか・・・。いくらなんでもふくらはぎ丈の白ソックスはないんじゃないかと思って、すごく気になったのだが・・・。どういう意図でのスタイリングなんだ・・・。