エラリー・クイーン著、越前敏弥・下村純子訳
角川文庫・新訳版で読んだ。昔読んだはずだけど恐ろしいことにあらすじどころか真犯人すら忘れていた。おかげで新鮮な気持ちで読めました!ニューヨーク五番街の百貨店のショーウィンドウで女性の死体が発見された。被害者は百貨店社長夫人。現場からは夫人のものではないと思われる口紅が発見された。そして夫人の娘も行方不明に。クイーン警視の息子、エラリーが謎に挑む。この題名、国名付けたのは結構こじつけぽいな・・・そこもミスリードといえばミスリードなのか。添付の百貨店ビルの図やアパートメントの間取図の大味さもミスリードといえばミスリードなのかも・・・(謎解き自体にはあまり関わってこないが)。謎解きの流れがザ・本格!ぽい。そんなに謎の規模が大掛かりでないところが好み。実はある事実がわかった時点でかなり容疑者が絞られてしまう(というかほぼ2、3人になってしまうし、そもそもこの事実は無理やり挿入した感もあるのだが・・・。本作は結構そういう要素が多い)のだが、そこからの引っ張り方、気の散らせ方が流石。ラストのスパっとした終わり方には賛否があるみたいだけど私は賛で。潔い!なお、クイーン父子が相変わらずラブラブでややイラっとするレベル。