山田稔著
題名の通り、著者の散文13編を集めた作品集。不勉強で恥ずかしいのだが、著者の作品を読むのは初めて(確認してみたら、著者の翻訳作品はいくつか読んでいた)。これがすごくよかった。客観性と冷静な観察眼があるが冷たくはなく、ユーモアがある。人間のかっこわるさを可愛げに転換させるような、他人への視線の温かみがある。表題作は母親の死にまつわる随筆なのだが、悔恨が胸に刺さる。こういう瞬間は、誰の人生にでもあるのではないだろうか。別れの手続きとはよく言ったものだなと思った。手続きがないと、やっぱりきついんだよなぁ・・・。