駒井哲郎著
銅版画家である著者による随筆集。自身の製作や芸術論の他、ルドン等の作品によせた解説を収録している。著者の銅版画は見たことがあったが、画業のスタート時点から銅版画の道を選んでいたとは初めて知った。解説文等で時折出てくる厳しい言葉は、その道にかける人故の厳しさなのだろう。ただ、基本的には穏やかで冷静な人だったんだろうなという人柄が窺える文章。特に、ルドンの連作に対する解説は、作家への共感と理解があって、私がルドン好きだということを差し引いても良い文章だと思う。また、銅版画の技術に関してはあまり知らなかったので勉強になった。絵の才能・技術と同時に、どの技法をどのように使うと一番効果的かという職人的な技量も必要なんだなと。長谷川潔の技術の高さがようやくわかった気がする。