ルイーズ・ペニー著、長野きよみ訳
ケベック警察のガマシュ警部は、妻と結婚記念日を祝う為に湖畔のロッジにやってきた。しかし、親族の親睦会のためロッジに宿泊していたフィニー家の長女ジュリアが、彫像に潰され死亡する。そしてフィニー家の中には、スリー・パインズ村で警部と親しくしていたある人物がいた。ジュリアはなぜ、どういう方法で殺されたのか、ガマシュ警部は捜査を開始するが、変わり者ぞろいのフィニー家に翻弄される。ガマシュ警部シリーズ4作目だが、今回はスリー・パインズ村を離れて湖畔のリゾート地へ。いわゆる隠れ家リゾート的なホテル=ロッジで、食事の描写が相変わらず本当においしそうだ。特に朝食!うらやましい~。それはさておき、本シリーズは登場人物の心情がどこか過剰で、それがアクの強さでもあり面白くもある。本作では、親子間の感情の強烈さ、かみ合わなさが陰影深く描かれている。親が愛情と思っているものが子供に伝わるとは限らず、子供は親に認められたいが必ずしもそれは(当人が望んでいるようには)叶わない。往々にして一方通行であるところが辛い。題名にあるように「苦い」ものを残す。