スティ-ブ・ハミルトン著、越前敏弥訳
8歳の時に遭遇したある事件により家族と言葉を失ったマイク。彼には絵を描くことと、どんな鍵でも開けられるという才能があった。しかし鍵を開ける才能は、マイクの人生を危険な道へ導いてしまう。20代となったマイクが、10代だった1999年と2000年を回想して、刑務所の中である人に向かって過去を綴るという形式をとっている。マイクはなぜ刑務所に入っているのか、誰に向かって綴っているのか(これは割と早い時点でわかるのだが)、徐々に経緯が見えてくる。クライムサスペンスであると同時に、青春物語である。むしろ、10代のあさはかさ、抑制の効かなさを感じさせホロ苦い。マイクの場合はホロ苦いどころか取り返しが付かない羽目になるのだが・・・。そこそこの大人だったら「これはヤバいよな~」と自制するところを、ぼんやりとしていたり虚栄心や欲望によりついやらかしてしまう。また、あったはずの逃げ道に気付かなかったりする。マイクが犯罪に関わりつつ妙に世間知らずというか無邪気なところがあるので、よけいにもどかしくなるのだった。アメリカではヤングアダルト小説としても推薦されているそうだが、反面教師的な意図?