米澤穂信著
自然の要塞に守られたソロン諸島領主の元を、騎士ファルク・フィッツジョンとその従士ニコラが訪ねてきた。領主の命を魔術を駆使する暗殺騎士が狙っているというのだ。その忠告もむなしく領主は何者かに殺される。領主の娘アミーナは、ファルクの犯人捜しに同行する。中世イギリスを舞台としているが、魔法が存在する世界という設定。その魔法で行われた犯行の犯人を、合理的な推理で特定していくというミステリ。どんな世界観であれ、その世界内でのルールがしっかり規定されていれば本格ミステリは成立する。そのルールの設置の仕方自体がミステリ要素となっているという、一見ファンタジー・中身ガチ本格というミステリファンには嬉しい作品。犯人特定の素材に一箇所弱いなと思ったところがあるがあとだしジャンケンみたいなもので、読んでいる最中はスルーしてしまうさりげなさ。今まで読んだ著者の作品の中では、一番読みやすかった。