三上延著
古書店店主を探偵役とした日常ミステリシリーズ2作目。栞子は無事退院し、足は若干不自由ながら店に出るようになった。バイトの五浦との仲も微妙に近づいてきているような、きていないような・・・。今回は栞子が直接現場に赴いたりするので、安楽椅子探偵という側面はない。そして前作同様、本の由来を通して人の心の陰影を描く。栞子と母親との関係が垣間見えるが、同じような業を背負った母娘として、シリーズのこの先まで尾を引きそう。母親の、自分にとって忌まわしい部分を自分も受け継いでいるかも、というのがありがちなのだが怖い。出てくる古書の内容と、持ち主の背景とがうまくマッチしていて(これは前作よりこなれている気がした。藤子・F・不二雄作品の使い方なんてすごくいいと思う)、著者自身が相当本が好きなんだろうなと思わせる。著者自身が古書店での勤務経験があるそうで、買い取り等の古書店の業務内容もかなり具体的に描かれている。