3年の刑期を終えて出所したミッチェル(コリン・ファレル)は裏社会から足を洗う決意をする。ひょんなことから若くして引退した女優シャーロット(キーラ・ナイトレイ)のボディーガードとして働くことに。パパラッチに悩まされるシャーロットはミッチェルと徐々に心を通わせるようになる。一方、ミッチェルを裏社会に引き戻そうと、かつての仲間だったビリーやギャングの顔役ギャントが付きまとい始める。監督はウィリアム・モナハン。原作はケン・ブルーエンの小説。
 タイトルロール、エンドロールのセンスがとても好みだった。ストレートにかっこいいというのではなく、ちょっとだけ野暮ったい、古臭い感じ。しかしシンプルでシャープだ。音楽もサントラ版買ってもいいくらいツボだった。あえて泥臭いロックをチョイスしているように思った。物語のオーソドックスさ、古典な感じを打ち出したかったのか。そしてKASABIANが起用されているが、最近のイギリス映画でのKASABIAN推しは何なのだろうか(笑) 
 原作のニュアンスとはかなり違っているように思った。原作を読んだのは結構前なのでうろ覚えなのだが、もっとシャーロットとの関係の中で人生を変えようとするようになっていたと思う。映画では、ミッチェルは最初からヤクザ稼業に嫌気がさしていて、かつての仲間と縁を切りたがっている。しかし、過去のしがらみを断ち切る為に、また暴力の世界に戻らざるを得ない。シャーロットの存在は、それを加速させる。そのシャーロットもまた、パパラッチという別の形の暴力にさらされ、過去と決別し新しい人生を歩みたいと願っている。2人がはたして暴力から逃れられるのか、というサスペンスが終盤に向けて加速していく。
 各キャラクターへの映画を見ている側との距離が遠いというか、観客にあまり感情的に入れこませないタイプの作風だと思った。主人公であるミッチェルがあまり感情を表に出さないというのも一因だろうが、彼らに注がれるまなざしが一貫して冷静、ともすると冷たい雰囲気と感じられる。ただ、その入れこませなさが見ていて楽だった。
 ロンドンという町の、特に住宅地エリアの雰囲気が感じられる。シャーロットが閉じこもっている家のあるエリアが、さほど高級住宅地という感じでもないところとか。また、ギャングらにほどほどな小物感があって、いかにも地元のギャングという雰囲気。ボスだけは貫録あるのだが、それでもあくまでロンドンのこのエリアのボス、という雰囲気に生活感がある。