元レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジ、U2のジ・エッジ、ホワイトスタリプスのジャック・ホワイトという、世代も音楽性も異なる3人のギタリストが自分の音楽のルーツや、ギターとの歴史を語るドキュメンタリー。3人でのトーク、ちょっとしたセッションもあるので音楽ファンは必見。監督は『不都合な真実』のデイヴィス・グッゲンハイム。
 3人のファンにはもちろんだが、音楽にそれほど詳しくはないけれどまあ好き、という人でも見やすい、間口の広い作品だと思う。間口の広さは、監督の手腕によるところが大きいと思う。元々TVの仕事をしていた人だけに、一見さんに対するキャッチーさをわかってるなーと思った。膨大な撮影フィルムをばんばん編集しているのであろうすっきりさで、勿体無いといえば勿体無いのだが、見やすい作品になっている。逆に、音楽マニアにとっては物足りないかもしれないが。
 登場するギタリスト3人は、それぞれチャーミングだが、イメージ(私が勝手に持っていたイメージで、ファンの人から見たらイメージ通りなのかも)とはちょっと違った姿を見せていた。ペイジはニコニコしていて大変チャーミングだった。自分より若いミュージシャンに対する態度が案外素直というか、相手に対する尊重と好奇心が感じられるものだった。いわゆる「がんこおやじ」的な感じでは全然ない。また、ジ・エッジが今もダブリンにプライベートスタジオを持っているというのはちょっと意外だった。てっきりロンドンかアメリカのどこかかと・・・。ホワイトも、すごく癖のある人というイメージだったが、本作では大ペテランの2人を前にしているからか、案外神妙で、緊張している(そりゃあ緊張するよな!)風なのがかわいかった。ルーツミュージックに対してすごく真摯な人なんだということもよくわかる。
 3人が自分が進んできた路を振り返る、といった感じのドキュメンタリーだが、ホワイトの場合は自分の来た路であると同時に、ロックンロールのルーツを辿るという側面も出ていた。彼の音楽の方向性によるものだが、上の世代の2人よりも、自分の音楽の背景を意識せざるを得ない(音楽の世界の中での自分の位置づけを探らざるを得ない)という部分があるのかなと。
 3人とも音楽の方向性は違う(ジ・エッジとホワイトなんて真逆といってもいい)のだが、ギターを介して共感しあう部分があるんだと思う。ペイジが「胸いっぱいの愛を」を弾き始めるとジ・エッジもホワイトもギター小僧の顔になる。このシーンがすごくよかった。