ディーン・クーンツ著、中原裕子訳
南カリフォルニアの町ピコ・ムンドでダイナーのコックをやっている、20歳の青年オッド・トーマス。彼は死者の霊を見、時に死者が伝えたいことが分かる、また災厄の予兆である悪霊を見ることができるという特殊能力の持ち主。その能力を使って警察に協力することもあったが、基本的には能力を隠し、静かに暮らしている。しかしある日、大量の悪霊を目撃。オッドは町に災厄が起きると考え防ごうとするが。オッドは災厄を防ごうと奔走する行動的な面と、ピコ・ムンドから出ずコックとして細々と生活している変化を退けようとする面の、2面性を持っている。自分に与えられた力を全うしなければならないという意識はアメコミヒーローぽくもある後者の要素が本作を一味変わったものにしている。オッドは地元愛が強いわけではなく、能力と育ち方故に変化を恐れており、動けないのだ。彼をひっぱっていくのは恋人と、死者や悪霊たちなので、「無理やりヒーローやってる」感がある。本作ではオッドの家族関係の出し方が唐突だった印象だが、シリーズものだそうなので後々までひっぱってくるのかな。