ヘルツォーク傑作選2011にて鑑賞。ヴェルナー・ヘルツォーク監督2005年の作品。ヴェネチア国際映画祭FIPRESCI受賞作品だそうだ。遠い惑星から地球に来たという男が語る、宇宙飛行士たちの旅。ヘルツォークとSFとは意外な組み合わせだが、一応SFファンタジーということになるのだろうか。
 本編内で、スペースシャトル内と思われる無重力状態の映像が出てくる。この部分はフィクションではなく、ノンフィクション、実際の宇宙飛行士の人たちと思われる。この映画の為に撮影したのではなく、既存の映像を利用したのだろうか。つなぎ方とテロップの入れ方で、本来(であろう)のものとは全然違うシチュエーションに見えてくる。どういう経緯で撮られた映像で(NASAの記録用とか?)、どういう経緯で利用できることになったのかが気になった。
 廃墟と化したショッピングモールや、人の気配すらない荒野、氷に閉ざされた湖(海?)など、終末の世界を思わせるような映像が続く。特に、無人の状態で取り残された町は怖い。なまじかつて人がいた気配があるのが怖さを煽るのか。ヘルツォークは本当に、人間がいなくなった世界を思わせる風景が好きなんだなー。氷の下の水の世界は、エンドロールから察するとこの映画の為に撮影したようだ。他の惑星という設定も頷ける神秘的な光景で、美しい。ただ、いい映像が取れたのでつい使いたくなってしまったのか、このパートがちょっと長くてダレる。切るのが勿体無いのはわかるが、もうちょっとタイトにしてほしい。本作、決して尺が長いわけではないのだが、体感時間は相当長く感じた。あんまり編集の上手いタイプの監督ではないんだろうな。
 なお、途中で出てくる科学者の宇宙の構造仮説が一昔前のSFぽかったり、オチが「トップをねらえ!」的だったりと、全般的にSF設定が古臭い印象。私はSFに詳しくないので印象なんですが・・・。ヘルツォーク、あまりSFセンスのある人ではないんじゃないかなーと思った。「ここをこうするとSFぽくなる」というツボを全部外していると思う。わざとかもしれないですが。