ヘルツォーク傑作選2011にて鑑賞。ヴェルナー・ヘルツォーク監督1970年の作品。人里はなれた教育施設で、校長や殆どの生徒が留守の間に、懲戒処分を受けた仲間を解放しろと、小人達が騒ぎ始める。留守を預かる小人の教師は、校長室に立て篭もった。騒ぎはどんどんエスカレートする。
 小人の人たちがとにかく悪ノリに悪ノリを重ねて騒いでいく。器物破損、窃盗、動物虐待、放火等等、テロというよりは学級崩壊みたいな、躁状態だ。最初は仲間の解放を要求する反乱だったはずなのだが、段々反乱すること自体が目的になってきているように見えた。ヘルツォークの映画は多分に躁気質なように思うが、本作はその典型的な作品だろうか。
社会の常識、タブーから無縁の存在として、見た目わかりやすく小人という存在を使っているのだろうが、一般的な(平均的な背格好の)人が一人も出てこないのはちょっと意外だった、比較対象がいるわけではなく最初からこういう世界なのかと。途中、外から車でやってきた女性が出てくるが、これも小人。
 反乱というよりもカーニバル的な雰囲気で、何だかやりたい放題だなーと思った。ニワトリやらブタやら、動物が妙に出てくるが、動物愛護精神は一切感じられない。人も動物も全部がなんだか猛々しい。ニワトリがネズミを振り回して遊んでいるし、共食いまでしているっぽいし、むしろ肉食獣ぽい。サルも出てくるが、十字架に貼り付けにされて本気で嫌がっているぽい(キリスト教的には多分大顰蹙なんだろうなー)。今の映画だったら、「映画の撮影の際に動物は一切傷つけていません!」というアナウンスがされるが、この映画でそれをやったら多分嘘になるな(笑)。
 小人たちは納屋の自動車やバイクを盗み出すのだが、車を使って逃亡するのかと思ったら、中庭をぐるぐる走らせているだけでどこにもいかない。このシーン、カメラも一緒に走り回って(多分途中から車の中から撮影してるんじゃないかと思う)撮る側もテンション上がりまくっている感じがする。ただ、ぐるぐる回っていて外に出て行けないのはちょっとさびしい。