長田弘著
著者の愛する本を書いた人、本の中に出てくる人らにまつわる随筆10編。誰かから聞いた話をまた語るような文体は、歌のようにリズミカルで心地よい。本を読むこと、愛することは、その本に書かれた世界や人々を愛することだ。ひいてはその本を生み出したこの世界を愛することでもあるだろう。本は世界につながっているのだ。作家や出版者についての話ではあるが、もっと広がりを感じる。取り上げられる作家・本の幅が広いのも弥勒。やっぱり幅広い教養がある人の文章はいいなー。それをせせこましくなく、しかもそっと披露できるところがすごいのだろうけど。読書好きとしては読んでいて安心する1冊。装丁・挿画もいい。